童貞くんは特にわたしに夢中になってしまう

 わたしが少しやさしくしてあげると、うぶな年下の男は間違いなくわたしにのめりこむ。童貞の男は特にわたしに夢中になってしまう。今まで女に相手にされたことがない童貞男がわたしのような女に相手にしてもらえたのだから、夢心地になってしまうのも無理もない。ただ、純粋な男はすぐにわたしと結婚したいなどと言い出すからめんどうだ。それも一回も体を許してさえいないのに。


 わたしを欲しがる男なんてたくさんいるのに、なぜわたしがあなたと結婚しないといけないの。めんどうになった男はすぐに切り捨てることにしている。だけど、彼らはわたしのことをあきらめられない。わたしは彼らの妄想の中で生き続ける。わたしが切り捨てた童貞くんたちは、童貞を捨てるチャンスが来たときに、わたしのことを思い出しているはず。ほんとうはわたしで童貞を捨てたかったのだけれど、仕方がないからこの女で童貞を捨てるのだ。そう思いながら、彼らにとって、わたしとセックスすることは叶えられなかった夢のひとつとなる。