わたしの顔のひとつひとつの部分

わたしに一目惚れしてしまったという男がいたので、わたしの顔を見つめさせてあげていた。わたしの顔を見ているだけで、天にも登りそうな気持ちなのだという。その男にとっては、わたしの顔のひとつひとつの部分に欲情しているのだろう。男はわたしの目を見つめる。そして鼻を見つめ、口を見つめる。あごの形やほほの肉の付き方などにも魅了されているのがわかる。


望みが叶うのであれば、わたしの顔に口づけをしたいのでしょうね。わたしの身体中を舐め回したいとも思っているはず。男って例外なくそういうものだから。自分が好きになってしまった女の体を触りたくない男などいない。それが男の本能なのよね。だけど、女が男の本能を満たしてあげる義務はない。だから、男が本能を満たしたいのであれば、当然、それなりのものを要求する権利がある。


人は生まれながら平等ではない。多くの男たちを引きつける才能を持って生まれてきた女は、それだけの権利がある。わたしに魅了された男たちは、よろこんでわたしのためにいろいろなことをしたがる。わたしとしても、男たちには自由にわたしに対して奉仕させてあげている。男たちは、わたしに奉仕したくてたまらないのだ。少しの時間だけでもわたしと一緒にいることができるから、男たちはうれしくて仕方がないのだろう。