幸せな男は一握りだけ

わたしが見つめてあげれば、男はなんでもいうことをきく。わたしにのめり込んでいる男にとって、わたしに視線を向けてもらえるだけで身震いがするほどの快感らしい。大抵の男はわたしと視線が合うと、さっと目を背けるか、わたしの目に吸い付けられるようにわたしに見とれるかのどっちかだ。さっと目を背ける男は、機会があれば、わたしに視線を合わせて盗み見るようにわたしの顔やからだを物欲しそうに眺めている。わたしの顔を見とれている男はわたしから視線を離さない。ずっと見つめてあげれば、男はわたしに心を奪われてしまうようだ。そしてわたしがその男に気があるのではないかと勝手に誤解してしまう。わたしにとって男を支配するのは簡単すぎて、つまらない。どんな男でもわたしのからだを触りたいと思うのは自然の摂理なのだろう。


わたしの膣に他の男のペニスが入って、わたしのなかに他の男の精子が流れる。わたしにあこがれている男たちは、わたしが他の男とセックスしているのを見たらどんな気がするのだろう。わたしのからだに触ることができる幸せな男は一握りだけ。大多数の男たちはわたしの顔とからだを想像しながら、オナニーするだけの虫けらのような存在だ。