わたしは本当に人を愛したことがないという男たち

特に意識せずにいろいろな男と軽い話をしてあげていると、それを勘違いして、わたしがその男に好意を持っているのではないかと思ってしまう男がけっこういる。普通であれば男は女からの好意を受け入れるかどうか、そこで判断するのでしょうね。でも、わたしの場合、わたしがその男に好意を持っていると男に思われたら、逆に男のほうがわたしに恋愛感情を抱いてしまう。わたしに好意を持ってもらえるのだったら、それを拒む男はなかなかいないのでしょうね。おそらく、わたしのからだを抱けるかもしれないというせっかくのチャンスを逃したくないと思っているのかもしれない。そして、わたしが何とも思っていないにも係わらず、男はわたしに夢中になってしまう。


でも、実際のところ、わたしはその男のことを好きなわけでもなんでもないから、誤解してわたしに対して一方的に恋愛感情を持ってしまった男がいくらわたしのことを欲しいと思っても、それを受け入れることはない。その男がわたしを束縛しようとしたり、わたしともっと深い関係を求めるようになったとしたら、その時点で振ってあげないといけない。


そうすると、男は決まって、わたしは本当に人を愛したことがない、とか、わたしは冷たい、とか言い始める。


男からの求愛に対して、それをきちんと断ってあげる時のわたしは、男にとって確かに冷たく見えるのかもしれない。男たちはわたしのことが好きだという感情をわたしに伝えようとする。でも、ほとんどの男にとって「絵美さんのことがどうしても好きだ」とか「絵美さんを愛している」というのはしょせん、わたしの膣に自分のペニスを挿入して、射精したいという欲望を言い換えているに過ぎない。要するに、男にとって、好きだとか愛しているという言葉は簡単に言えば、膣にペニスを入れたいということと同じ意味なのよね。わたしは男なんてその程度だと思っているから、いくら男がわたしに真剣にアプローチしてきても、それを断ってあげることには何の抵抗も感じない。