わたしの顔を見るとからだが勝手に反応してしまう

わたしが振ってあげた男は、かなりの割合でわたしのことをどうしてもあきらめきれないという精神状態に陥ってしまう。どんなにわたしのことをあきらめようと思っても、わたしの顔を自分の目の前で見てしまうとからだが勝手に反応するのだという。男の精神なんてそんなに強くないから、どんなにわたしのことを忘れ去ろうと思っても、わたしの顔がすぐにちらちらと頭のなかに浮かんでくるようだ。そして、実際にわたしの姿や写真を見たりすれば、なかなかわたしのことを記憶から消し去ることができないみたいね。


それでも、わたしに会わないようにすることができる男は幸運だ。悲惨なのは、わたしの職場にいる男たち。複数の職場の男がわたしに恋愛感情を抱いたが、わたしはどの男の気持ちも受け入れてあげなかった。わたしといつも同じ空間にいれば、男がわたしに対して恋愛感情を抱いてしまうのはごく自然なことだとは思うけど、職場の男に心を許すつもりは全然ないのよね。


きっぱりと断ってあげたので、男たちはわたしに対する気持ちを整理して、わたしへの想いを捨て去りたいと思っているのだろう。でも、同じ職場にいるので、男たちはわたしを見ないわけにはいかない。どうしても毎日、わたしのことを見ることになる。わたしは基本的に振ってあげた男は無視してあげるようにしている。だから、廊下ですれ違っても目も合わせないし、あいさつもしない。どうしても会話をしなければならないときは、全くの他人のように事務的に接してあげている。わたしのことをあきらめようとしている男にはそのほうが親切だと思っている。でも、男にとっては、どこかでわたしとすれちがっただけで、わたしに対する気持ちが再び高ぶってしまうみたいだ。わたしに無視されるのは男にとっては確かにつらいのだけれど、同時に、無視されることでわたしに対する想いが逆に大きくなるという不思議な心理状態になる。男ってだれでもマゾ的な部分がある。


わたしのことを忘れようと思っている男は、できるだけわたしのことを考えたくないのかもしれない。でも、わたしの顔を見ざるを得ないということになれば、どうしても心が穏やかなままでは済まないのでしょう。わたしを目の前で見てしまうと、わたしに魅せられている男はどんなに心を落ち着けようとしても、からだがムラムラしてきてどうしてもがまんできなくなるみたいだ。この辺の男の精神状態って女性には分からないものなんだろうな。