均衡が保たれていたひととき

昨日あった女ふたりと男ふたりの飲み会。女性側はわたしとわたしより少し年上の女性Yさん。男性側はわたしより少し年下の男Aと少し年上の男Bという組み合わせ。


男ふたりを見ているとなかなか面白かった。A君は実はかなり前から知っている男の子だ。というか、何回か食事とか映画に付き合ってあげた後、いきなり結婚したいと言い出してきたので、やんわりと断ってあげた経験がある。普通だったらそれでお別れするところだけど、なんとなくなついてくるので、そのままにしている。心の底ではわたしのことうを諦めてはいないが、強引に進めば、もうわたしと完全に切れてしまうのを恐れているのだろう。他のふたりの前では表面上は平静を装って、わたしのことは単なる知り合いの女性だといった振る舞いをしている。内心はわたしのことを抱きたくてたまらないはずだけど、それを表面に出さないようにしているのが実に健気だ。(わたしには伝わってしまうけどね)


Bと知り合ったのは最近。これもまた複雑で、同席している女性のYさんはBと結婚したがっている。でも、Bは結婚話をなんとなくはぐらかして過ごしている。昨日もYさんはやんわりとBと結婚したいとほのめかしていた。でも、Bははぐらかす。Bはわたしに好意をいだいているのだ。でも、わたしはBの好意を受け入れるつもりもないから、YとBが結婚するようにはやし立ててあげている。


Bがわたしのことを好きだということをYは知らないから、Yはふたりの結婚を応援しているわたしのことを悪いようには思っていないだろう。ただ、Bは複雑な心境なんだろうな。突然、切れてしまって、「僕が好きなのはYではなくて、絵美さんなんだよ」なんて言い出すことはないと思うけどね。そこまでの勇気はないと思う。

BはA君がわたしに夢中になっていたことがあって、おまけに結婚を申し込んだことがあることなんて、知らない。だから、自分だけがわたしのことを思っているみたいな自信を持っているのだろう。


男ふたりのうち、誰かが自分の思いを暴走させてしまったら、どんなに人間関係がこじれてしまうのか、何となく面白がっている。


あの場に4人がいたから均衡が保たれていたのでしょうね。A君とBが暴発しないでいてくれたのはYさんのおかげかもしれない。彼女がいてくれたから、男ふたりのそれぞれの恋愛感情をはぐらかしながら、わたしもそれなりに楽しめたのだから。


わたしのことが欲しくてたまらない、つまり、わたしのからだを抱きしめたくてしかたがない男を目の前におきながら、そのまま何もさせずにその日をおしまいにするというのは、なかなか面白いのだ。


彼らは家に帰ってからオナニーでもしているのかもしれないね。

でも女の男に対する支配力が最大になるのは、そういうときなのだと思う。