のめり込ませた男への対処

真面目に振る舞っている男って、くずれると早いのが面白い。


たまたま二人きりになって、わたしのすぐ隣に座ることになった男。何となく緊張しているのが分かる。前から、わたしのことが好きなことには気づいているので、どう行動してくるか、興味津々だった。でも、普通の世間話しかしてこない。しかし、姑息なことに、気がつかないように徐々に、わたしのからだに自分のからだを接触しようとし始めた。


本当は、わたしのからだを抱きしめたいのでしょうけど、それができずに、わずかな接触だけでがまんをせざるを得ない。どさくさに紛れて、ちょっとだけ肌が触れあうだけでも、男にとっては最高の快感なのかもしれない。生真面目な男って、よくわからない。


でも、そんな男って、なぜだか心をかきみだしてあげたくなってしまう。どこまでかたくなでいられるのかが面白いのだ。


男が偶然を装って、軽くわたしに接触してきたのだから、わたしのほうも、偶然を装って、男のからだにそっと接触してあげた。そうすると、男は決まって、わたしが自分に気があるのかもしれないと勘違いし始める。そう思わせてあげたあとの男の行動は実にさまざまだ。


その中でも、傑作だったのは、M君の場合。本当にわたしにのめり込んできてしまったので、少し大変だった。いつもわたしのことを考えて、わたしのことが頭から離れないという。起きているほとんどの時間をわたしのことを考えて過ごしているのだという。わたしのことが本当にすきになってしまったんでしょうね。わたしとツーショットで写真を撮ってあげたところ、ずっとその写真を見つめながら、過ごしているという。わたしのことが欲しくてたまらないのでしょうね。わたしの声が聞きたいと、毎晩電話がかかってくる。この時点で、わたしは彼にキスもさせてあげていなかったし、当然、からだを触らせてもいなかった。


宙ぶらりんの立場でいるのが一番よくない。そういうとき、何もさせずに、わたしのことをあきらめさせるという方法もあるが、一度だけ寝てあげるという方法もあると思っている。男って、何もできないままの女か、一度だけでもからだを自由にできた女とでは、かなり違うのだ。そして、初めてからだを自分のものにするためには、かなりの努力を惜しまない。征服欲が満たされれば、分かれるのが簡単になる場合も時としてある。ただ、その逆のケースもあり、一度でもからだを抱かせてあげると、勘違いが勘違いを呼んで、よりわたしにのめり込んできてしまうこともあるので、注意が必要だ。


それで、M君の場合、征服欲がありそうだったので、一度だけでもわたしのからだを抱かせてあげれば、そのあとに、わたしのことがあきらめやすくなるだろうと思ったのだった。


会う度にわたしのことをなんとかしたいと思っているのは分かるけれども、結局何もできなかったM君。もう関係を終わらせようと思って、最後にわたしのからだを触らせてあげることにした。


軽く彼の首に腕を回して、キスしてあげると、M君はびっくりしたようだった。わたしの唇の感触を味わうというよりもかなり緊張していて、ぎこちなかった。その後、結局、ホテルに入り、最後までやらせてあげた。M君にとっては最高のプレゼントだったでしょうね。わたしの膣に自分のペニスを入れるときのM君は、もうこれで死んでも本望だという雰囲気を醸し出していた。


でも意外に頑張って、5分ぐらいはわたしの膣のなかでペニスを動かし続けることができた。すぐに射精してしまうとおもっていたけれど、それなりに持続したと思う。もっとも、わたしが射精させようと思えば、すぐだったけどね。適度にコントロールしてあげた。わたしの膣の感触を味わえるのも最初で最後なんだし、あまり早く射精させてしまってはかわいそうだと思ったしね。


そして、次の日以降。M君はこれからが、わたしとの始まりなのだと思ってしまったみたい。でも、わたしは、わたしのからだまでプレゼントしてあげたのだから、M君はもうわたしに用はないのだろうと考えていた。けなげなM君。きっちりお別れしてあげた。


M君は、なんかおかしくなってしまいそうだったけど。一度だけでもわたしとはだかで抱き合うことができたのだから、いい思い出ができたのではないかと思う。じらしにじらして、結局、キスもさせてあげないで終わりにしてあげた男なんて、たくさんいるのだから。


M君は実にラッキーな男だと思うよ。