軽いハグにやきもちを焼く小男

自分の都合のいいように考える男って実に多い。

わたしに思いを寄せている男。わたしは全然男として意識していなかったので、特に飾ることもなく、ずけずけと物を言っていた。その男の気を引くつもりもないし、はっきりいって眼中にない存在の男だったから、いわゆるタメ口で、会話してあげていた。


わたしが気さくに話をしてあげているのを、何を勘違いしたのか、わたしがその男に好意を持っていると思ってしまったらしい。その男は、わたしが気さくに接しているのは、わたしとの心の距離が近いからだといいように解釈している。でも、もし、わたしが本当にこの男のことを好きなのだとしたら、もうとっくにこの男のことをわたしの思うがままにしているはず。


傑作なのは、わたしがその男の目の前で、他の男に軽くハグさせてあげていたら、わたしがその男に焼き餅を焼かせて、気を引くためにそうしているのだろうなどと思いこんでしまったことだ。眼中にないから、そうしただけなのに、なんて都合のいい解釈なんだろう。思わず笑いそうになってしまった。実際、その男はものすごく焼き餅を焼いたんでしょうけどね。

ハグっていっても、アメリカならエチケット程度の軽いからだとからだの接触だけだけど、その男にとっては、わたしのからだが他の男と接触するのを見るのがかなりつらかったみたいだ。なにせ、その男には指一本、わたしのからだに触らせていない。それなのに他の男には簡単にハグさせてあげたのだから、嫉妬してしまったみたい。でも、君のことは何とも思っていないのだから仕方ないわよね。


男って、嫉妬するとからだがムラムラしてくるということは知っている。こういうとき、わたしにのめり込んでいる男たちは、わたしのことを思い浮かべながら、オナニーすることが多いみたいね。きっとわたしと抱き合うのを想像しながらむなしく1人で射精するのでしょうね。