わたしは色々な男に粉をかけるのが好き

男の嫉妬っておもしろい。わたしがある男Aと一緒にいるのをみると、わたしのことを好きでたまらない別の男Bはわたしと一緒にいる男Aに敵意をいだく。そこで、わたしがBに近づいていき、Bと親しくすると、AもBに嫉妬する。


わたしは色々な男に粉をかけるのが好き。ちょっときっかけを与えてあげれば、大抵の男はわたしのことを本気で好きになってしまう。男の心を簡単に支配できるのは何度体験しても実に楽しい。


わたしを取り巻く男たちは互いに嫉妬しあうようになる。わたしは粉はかけるけど、男たちとはそれ以上のつきあいはしない。男の心を支配してしまうと、それ以上の興味はなくなる。男たちのこころを完全に支配してしまえばそれ以上面白いことはなくなってしまうから。


だが、もう少しでわたしを自分のものにできると勘違いした男たちは競い始める。だけど、努力賞はあげない。わたしは男たちに、たとえわずかな時間でも、わたしを自分だけのものにできるかもしれないという希望と夢を与えてあげている。わたしは誰のものにもならないので、男たちは最後には苦悩することになる。でも、わたしのからだをいつか抱けるというはかない夢を抱いている時間、男たちはきっと幸せなはずだ。