断れない

男にも好みのタイプというものがあるから、すべての男がわたしのことを好きになるわけではない。そんなことはあたりまえだと思う。わたしのことをタイプだと思っている男たちは多いけど、タイプではないと思う男もそこそこいるでしょうね。


でも、ある男から言われた。「いくらタイプでなくても、わたしから迫られたら、どんな男も断らないと思う」って。


わたしから男に本気で迫ることなんてまずないけど、確かにどんな男も断らないと思う。いままでだって、わたしの誘いを断る男なんていなかったし、どんな男でもわたしの思うとおりにする自信はある。


こういう男の心理って面白い。せっかくわたしと触れ合えるチャンスをみすみす逃すなんて、もったいないという心理なのだろうか。

どうしたらわたしとセックスできるだろうか。

どうしたらわたしとセックスできるだろうか。


男たちはこんなことばかりを考えている。わたしに近づいてくる男は最終的にはそれが目的なのだ。というより、どうしてもわたしのことが欲しくてたまらなくなってしまうみたいね。


何かと理由をつけてわたしと会う機会を増やそうとしている男、偶然を装ってわたしの目の前に現れようとする男、わたしと接触する回数を増やせば、わたしの気持ちがなびくとでも思っているのだろうか。運命の人とでも感じると思っているのだろうか。わたしにとっては単にうざったいだけなのに。


男たちにとっては、わたしの顔や体を見るだけでもうれしいものなのでしょうけど、わたしはどんな男と会ったとしても別に何とも思わない。


男がわたしの回りを取り巻いていても、別にうれしくもない。
ただ、わたしがたまたま誰でもいいからセックスしたいと思ったようなときに、偶然近くにいた男はラッキーなのでしょうけど。

ちょっとしたしぐさが時限爆弾になる

いつ来るかと思ってはいたけど、やっぱりあの子はたまっていた気持ちを一気に爆発させてしまった。


少し年下なので、からかい半分でわたしへの恋愛感情を煽ってしまったところもあるんだけれど、どうしても我慢ができなかったみたい。はぐらかすようにして、決してからだを許さなかったのが堪えたみたいで、突然、わたしを押し倒してきた。


「そんなことをしたら、もうわたしとは二度と会えなくなる」って、警告したけど、男って本能的に駄目みたいね。でも、かわいいことに服を破ったり、乱暴なことをすることもなく、とりあえず服のうえからわたしのからだをきつく抱きしめてきただけだった。それでもこの子にとっては本望に違いない。スカートの上からズボンをぐりぐりと押し付けてくるけど、無理やり挿入しようとはしなかった。あと、ひたすらキスをしようとしてくる。


結局のところ、わたしが主導権を握って、最後には膣のなかで射精させてあげたのだけれど、いやな気分だ。その子にとってもわたしのなかで射精したという事実が残るだけで、欲求は満たされたかもしれなけど、全然気持ちよくなかったと思う。入れてすぐに射精しちゃったしね。


そして、もうその子はわたしとは二度と会えなくなったということだけ。


それにしても、その子はスカートからちらちら見えるわたしの足に欲情してしまったらしい。わたしにある種の感情を持っている男にとっては、わたしのちょっとしたしぐさが時限爆弾になるみたいね。

名前に接触しただけで

わたしの名前を読んだり、聞いたりしただけで興奮してしまう男もいるのが面白い。名前からわたしのことを妄想してしまうのだろう。名前を聞いただけで、男たちはわたしの顔や体を思い浮かべる。そして、妄想のなかでわたしと触れあいたいと願う。そうしたことを繰り返すうちに、藤永絵美という言葉に接触しただけで、もうわたしのからだにでも触れているかのような感覚になるみたいね。


藤永絵美という言葉を何度も繰り返してノートに書いたり、ワープロで打ったりする男の心理ってわからない訳ではない。文字を書きながら、あるいはキーボードを打ち続けながら、ずっとわたしのことを想い続けているのでしょうね。


もし、そうした男たちがわたしの体を自由にできるとすれば、男たちは最高の快感を得ることになる。でも、残念ながら、そうした感覚はわたしにはわからない。ちょっとイライラする。

ふたつの種類がいるみたい

わたしのことを欲しがる男って、ふたつの種類がいるみたい。


ひとつめは、わたしに恋い焦がれて夢中になっている男。こういう男は純粋にわたしのことが好きみたい。だから強引なことはしてこないし、わたしを歓ばせようと必死になってくる。純粋で、少しからかって見たくなる男たち。少しからだを接触させてあげただけで、もうわたしに逆らえなくなってしまう。


もうひとつめは、愛情とかではなく、とにかくわたしとセックスしたいという男。振ってあげた男が、このタイプに豹変してしまうことが多いんだけど、たとえわたしを力ずくで強姦してでもわたしのからだが欲しいと考える男たち。彼らはとにかくわたしのことが欲しいので、愛情とかそういうもので動いているわけではない。振られた腹いせみたいなものもあるんでしょうね。こうしたタイプの男の目的は、どんなことをしてでもわたしの膣に自分のペニスを挿入して射精したいということだけ。どうしても手に入れられないものをなんとしてでも欲しがる子供のようなもの。


でも、こんなことをして本当に心が満たされるのだろうか。


わたしが納得したうえで、わたしの膣でペニスを包み込んであげれば、最高の快感が得られるのに、無理矢理わたしの膣に入れて、それで男は満たされるのだろうか。きっとむなしいだけだと思う。

結婚してからもずっとわたしのことが忘れられなかった

かなり前にわたしが振ってあげて、他の女と結婚した男から「すべてを捨ててもいいから、わたしとやり直したい」なんて連絡があった。
結婚してからもずっとわたしのことが忘れられなかったのだという。


ふとしたことから、わたしへの想いが再燃してしまったみたい。少しでいいからわたしに会いたいのだという。
男って、結婚した後でも、心の底から好きになってしまった女を忘れられないものらしい。


どうしてもわたしに会いたいのはわかるけど、どうなんでしょうね。会ってあげれば、男は絶対にわたしから離れることができなくなってしまうと思う。少しでも優しいそぶりを見せてその気にさせれば、男はすべてを捨ててわたしに走ってしまうと思う。奥さんにはかわいそうだけど、一度でもわたしを好きになった男は、わたしのことを手に入れるためだったら、どんなことでもするからだ。それは独身男でも妻帯者でも同じこと。


だから、わたしはその男に会う気はない。奥さんとセックスしているときも、ついわたしのことが頭をよぎってしまうなんて、なんて男ってこっけいな生き物なのかと思う。

あの位置がわたしのふとももまでしか届かないような男

わたしより背の低い男がわたしに夢中になってしまうことがよくある。そんな小男君は自分の背の低さにコンプレックスを持っているみたいだけど、わたしは背の低さだけで男を差別したことはない。ただ、全体的に見てわたしが付き合うつもりのない男に対して断る口実に背の低さをあげたことはある。男にとっては自分の人格を否定されるより、自分の身長を理由にしてあげたほうが傷つかないみたいだから。


男って自分に足りないものを女に求めることがある。小さい男の場合、それはわたしの細くて長い脚だったり、ほっそりとしたからだだったりするのでしょうね。もし立ったままで抱き合ったら、ペニスの位置がわたしのふとももまでしか届かないような男がわたしにアプローチをかけてきたことがある。もちろんその男の気持ちなんて受け入れるつもりもなかったけれど、その男がわたしに対してどんな妄想を抱いていたのかと思うと愉快でたまらない。わたしが少しかがまなければちゃんと唇にキスさえもできないような男がわたしとのセックスを夢見ているなんてクスッとしてしまう。きっとわたしのからだにむしゃぶりつきたかったんでしょうね。でも、身の丈にあった女を捜しなさいね。わたしのからだを自由にするなんて、そんな男にとっては荷が重過ぎると思う。